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株式会社アイエコアップ代表取締役
村田佳保里さん

今回ご登場頂くのは、
シロアリ対策・害虫駆除の “業界唯一のママ社長”
株式会社アイエコアップ代表取締役の村田佳保里さん。

男性の仕事、とのイメージが強い業界で起業して14年。

いろいろな壁や葛藤と向かい合いながらも、パワフルに、そして朗らかに日々奮闘する佳保里さんに、お仕事の話や愛息子・クローバーくん(小学5年生)の子育て話をお聞きしました!

   

■シロアリ業界で唯一人のママ社長としてご活躍ですが、
お仕事のきっかけは?また、どんな想いで携わっていらっしゃいますか??

シロアリ業に携わって今年で50年になる父の下、幼い頃から調査に同行したりポスティングを手伝ったり、生まれた時からシロアリというものが身近にありました。

とは言え、会社を継ぐ意識は全くなかったので、大学は心理学系に進学。就職氷河期で夢も漠然としていた時に「精神保健福祉士」の国家試験を受けることにし、受験資格に必要な専門学校に通うため一旦実家に戻ることに。取得後は福祉施設に入社しました。
後に転職することになりましたが、その話が断ち切れてしまい…無職になる訳にはいかないので、取り急ぎ父が役員を務めていた会社でアルバイトとして雇ってもらったんです。そして1年も経たないうちに、新規で関連事業の会社を起こす運びになり、その社長に、と周りに推されたのが始まりです。平成14年の1月に起業。25歳でした。

そんな流れだったので、起業して10年頑張ってモノにならなければ精神保健福祉士の仕事に戻ろうと思っていましたが、父の状況が変わる等いろいろあって、この業界に腰を据えることに。その間、結婚・出産、息子の就学前にはシングルマザーになり、仕事に対して一層の『覚悟』を持つことにもなりました。

業界は男社会なので、起業当時は相手に話も聞いてもらえないほど。今ではセクハラになるような事を言われたりもしました。その頃は「男性だったら良かったのに…」と思うこともよくありましたが、今となっては『業界唯一の女社長』であることを本当にラッキーだと思ってます。

私も時折つなぎを着て床下に潜ります。お客様にはよく驚かれますが、ママさんからの相談が多い中で、同じ目線で話せることもあって雑談が弾むのは女性だからこそ。お客様が心を開いてくれる瞬間を感じることが多いんです。そして、何社か検討される中で、「貴女にお願いするわ」と決めて頂けることは何よりの喜びですね!

仕事の理念は『母親の視点で』。
薬剤の安全性は当然のこと、安い薬剤は沢山あるけれど自分の納得できないものは絶対に使いません。見てわからない業種だからこそ、哀しいかな誤魔化す業者さんもありますが、当社はとことん安全性と誠実さにこだわりたい。そう誓っています。

今現在、営業スタッフは女性ですが調査スタッフも女性を揃えたいと思っています。
男性の力を借りないと作業できないケースもありますが、女性も十分できる仕事なのでカッコよくつなぎを着る女子を増やしたいですね~(笑)。はたまたママさん達の目がハートになるようなイケメンスタッフを揃えるか…かな(笑)。

■佳保里さんのブログには小学5年生のクローバーくんもよく登場します。
育ち盛りの男児の子育て!どんなことを心掛けていらっしゃいますか??

息子はクラブチームに入っていて週5ぐらいサッカーをしている毎日。今は彼の方が忙しいぐらいで、親子ベッタリの時間が、「私が取れない」から「息子が取れない」に変わってきました。その代わりに、習い事の送迎時の10~20分間に将来の話をしたり、彼が宿題をしている横で私も一緒に勉強をしたりしています。

彼は、私が思っている以上に大人なところがあって、色々なことを分かっているよう。
1歳の時から保育園に入っていましたが、当時から手のかからない子で口も達者。でも、それイコール寂しくない、とは限らないので沢山話を聞くようにしていました。

今は、小学生がシロアリに興味を持つためにこんな活動したら?とか、キャラクターを作ったら?とかアドバイスまでくれます。ノートの端にシュールな「シロアリくん」が描かれてあることもあり、ノートは勉強に使ってよ~と思うことも(笑)。
かと言って、頭の中は漫画とTVとゲーム…と子どもっぽい。“しっかりしているけど、いい加減”そんな彼に日々癒されています。

父親の役目も担っているので威厳は持ちたいと思いますが、自分の弱いところも見せるように心掛けています。
彼が分からないような仕事の悩みとかもなるべく話していますし、感情的に怒っちゃった時もちゃんと素直に謝ります。とにもかくにも、「あんたと結婚すればよかった!」って思うほど(笑)。“私の保護者”にさせ過ぎないようにしなきゃいけませんね(笑)。 

■母業とお仕事を両立する女性として、何か読者ママさんにメッセージを!

「一緒に床下に潜りませんか?!」以外で言えば…(笑)
子育ても仕事も一人では無理ですが、『覚悟』を決める事でも物事が良い方向に動く気がしますし、『感謝の気持ち』を持つと、自然と環境は好転するものだと思います。

私自身、元ダンナさまのこともそうですが、他人になって何かしてもらえる事が当たり前じゃなくなった事で「ありがとう」と心から思えます。今はとても良い関係を築けているんです。息子の送迎で30分ほど事務所を抜けるのを許してくれる社員さんや、息子の学校の方にしても、周りへの感謝が増えるとサポーターが増えるものだと思いますよ!

仕事で言えば、女性の職種じゃないと思っている・思われているものは沢山ありますが、全部男性のマネはできなくても、一部が出来たり、かえって女性がやった方が上手くいく場合もあるもの。床下の調査もその一例だと思っています。
すぐに「私にはできない」にせずに、雇われる側も雇う側も働き方の概念を取り払って考えてみると、女性が活躍できる可能性はもっと広がるのではないでしょうか。

仕事を、生活のため・お金をもらうだけにしたらもったいです。
ただ仕事をするのではなくて、如何に楽しく・面白く捉えられるか・・・ いろいろな切り口で自分の仕事を捉えられるとイイですよね!

◆村田佳保里/株式会社アイエコアップ代表取締役
曽祖父は大正時代に起業したシロアリ駆除業のパイオニア。父は業者団体の立ち上げに関わりながら、国宝・重要文化財を数多く手がけたベテランしろあり防除士。自身は精神科医療福祉の現場から、H14年にこの業界で独立起業。『母親の視点』をモットーに、健康と環境へ配慮を一番に考えて施工方法・使用薬剤の安全性には強いこだわりを持って活動する、シロアリ対策業界では日本で唯一のママ社長。「女性のための住まい大学」主宰。共著・メディア掲載・セミナー開催実績も多々な一児のママ。

HP: http://www.i-ecoup.com/

編集後記

マンマ・ブロガーへのご参画をご縁に交流させて頂いていますが、
一番印象的だったのが、共著の一つ11人のシンデレラ出版記念講演会に呼んで頂いた時、
檀上に現れた佳保里さんが『赤いつなぎ』姿だったこと! ←ヘアスタイルはパーティー仕様で(笑)

遊びゴコロはもちろんですが、自身の仕事への想いが溢れていて
世の"男性の仕事”という概念を崩しちゃえ!って意気込みも感じられたし、何よりもカッコよかった!!!
その時からさらに"かほり愛”が増えたワタシだったりします。誇りを持って働くオンナはステキだーっ!! 

決してキレイな場所とは言えない住まいの床下。そこに自ら潜って調査をするため
筋肉量を図ったところ、右足だけ真っ赤(標準は緑とか黄色)な表示が出るのだとか。
いわゆるホフク前進で丁寧に作業を行うので、それだけ筋力がついているんですよね。
それを勲章として、『右足だけアスリート♪』と笑う佳保里さんもカッコイイと本当に思うのです。 

体力や筋力など、男性に叶わないことはたくさんあるけれど、逆に、女性には叶わないことだって沢山あるハズ。

固定観念で女性の可能性を自らで失くしてしまうのもモッタイナイことですし、
「まずはやってみる」という勇気だったり・面白味を楽しめる“やわらかアタマ”でいたいものだなぁ~と。
そして、人によって様々な『覚悟』。その大切さを改めて感じた今回のインタビューでした。ありがとうございました!

<取材・文/編集長 野村綾乃> 

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